実戦型研修について紹介しましたが、他にはどのような種類のものがあるのでしょうか?
私は、誰のペースに合わせるのかという観点で、以下3つのスタイルに分類されると考えています。
自習型(Student-paced)
あらかじめ用意された教材を使用して、自らの不足箇所を補いながら進める形式。
ペースを自分でコントロールしつつ、不要箇所は飛ばせるので、最も時間的な効率は良いが、習熟度合いを第3者が確認できないため、理解した「つもり」になってしまうことが多い。
コスト・時間をかけられない状況で、暗記させたいときなどに有効。(特に知識系)
講義型(Instructor-paced)
インストラクターがあらかじめ用意したコンテンツに沿って、順を追ってレクチャーと演習を実施していく形式。
シナリオに沿って進めていくので、全体の足並みが揃えやすく運営しやすいが、ペースを自分でコントロールできないので、習熟度にばらつきがでたり、参加者の集中力が途切れてしまうことが多い。
短い時間でイメージをつかませたいときなどに有効。(特に能力系)
実戦型(Participant-paced)
ベースとして実戦型式の演習・ケーススタディを行いつつ、それぞれの参加者の進行度合いに応じて、適切なタイミングで必要なレクチャーやアドバイスを実施する形式。
最も効果が高いが、長い時間を必要とし、参加者ごとにペースが異なるため、全体のハンドリングが難しい。
参加者自らに”気づかせたい”時などに有効。(意識系)
成長力を身につけるという観点で考えたときに、すべて実戦型で実施するのが良いのでしょうか?必ずしもそうとは限りません。
強制的に研修に参加させるのではなく、自習型のコンテンツを充実させておき、必要性を感じたときに自発的に学習することは、自ら成長していく上でとても重要な要素です。
また、明確な課題意識を持っているなど、すでに気づきがある状態であれば、講義型の方がより効率的に成長を促進できると思います。
結論としては、どれか一つの型のみで実施するのではなく、状況に応じて3つの型を組み合わせながら実施していくことが、重要であると考えています。
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