学習する組織を実現する上で最も難しいのが、社員個々人の意識を変えていくことだと思います。研修を実施するうえでも、参加者の動機づけはとても重要かつ難しいと感じています。
私は、その対象となる集団(チーム・部署・研修の参加者など)を、成長意欲の高さで上中下にわけ、それぞれ大まかに1/3ずつに分かれるという前提で、以下のように考えています。
チーム成長の原理
●全体の2/3に対して成長したいという意識を醸成することができれば、その集団は自然と成長していく軌道に乗る
●上司やインストラクターは、最初から下位層に標準を合わせることで全体的な底上げを図るのではなく、中位層の動機付けに最も注力すべきである
(上位層への対応)
高め(と本人が感じる)の役割・責任・期待を与えることで、成長加速度を増加させる。中下位層の底上げを必要以上に義務付けずに、自分の背中を見せることで刺激を与えさせる。
(中位層への対応)
上位層の成長に対して、焦り・羨望のいずれかを感じさせることで動機付けする。成長することに対して必要以上に強要せず、自分の意思で動き出した後に、自信をなくさないようにサポートしていく。
(下位層への対応)
中位層を上位層に巻き込ませた後に、自分が置いていかれていることに対して焦らせることで動機付けする。基本的には放置し(のように見せる)、「自分はかまってもらえている」という安心感を与えずに、本人の意識が変わるまで待つ。
当然状況によっては、下位層を徹底的にサポートすることで全体的な底上げを図らなければならない局面もあると思いますが、長期的な視点で成長力の強化や学習する組織の実現を目指す際には、必要な考え方ではないかと感じています。
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