研修を実施するうえで重要な要素の一つとなるインストラクション力に関して私なりの考えを述べてきましたが、演習などのワークをベースとする研修において非常に重要となるレビューに関しても少し触れさせていただきたいと思います。
私は、レビューとはその難易度によって、以下の4つのレベルに分類することができると考えています。
Level1:間違いを指摘(Where)
間違っている、あるいは違和感を感じる箇所を指摘する。場合によっては、単純に否定されているだけとも感じられてしまうので注意する必要がある。
Level2:正解を提示(What)
自分だったらこうするという解答例を提示する。その演習に対する解答は理解できたとしても、どのようにすればあるいは考えればよいのかを自分で考える力がないと、他のケースにおける応用が利かなくなってしまうので注意する必要がある。
Level3:やり方を説明(How To)
どのようにしたらあるいは考えたらできるのかを説明する。やり方をルールとして暗記してしまうと、例外的なケースにおける応用が利かなくなってしまうので注意する必要がある。
Level4:考え方を修正(Why)
その参加者が、どのように考えたために間違えてしまったのかを分析し指摘する。根本的な解決となり得るので納得度合いは高いが、(他のレベルと比較して)理解させるまでに時間がかかる可能性も高いので、状況に応じた使い分けが必要となる。
基本的にはLevel4のレビューが、参加者にとって最も意義があると言えると思いますが、かといってすべての局面でLevel4のレビューを行う必要はないと思います。余力のある参加者に自力で正解を見つけてもらうために、あえてLevel1でとどめることもあると思いますし、正解にたどりつくことよりも、How toを考えさせることが重要な場合において、あえてLevel2でとどめることもあると思います。
当然すべてのLevelのレビューを行えることが前提となりますが、相手や場の状況に応じて、意図的にレビューを使い分けることがポイントであると考えています。
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