インストラクターには、人間的魅力・専門能力・育成能力・メンタリング能力の4つが必要だと説明させていただきましたが、育成能力とは何を指しているのでしょうか?
私は、研修の価値提供の流れに沿って、以下の4つの要素で構成されていると考えています。(前回も書かせていただきましたが)
コース開発力
ニーズに合わせて研修コースを企画・設計・開発する能力。業務上の課題を分析・発見した上で、適切な目的・ゴールを設定し、それらを達成するためのシナリオ(スキルを身につけさせるための流れ)を構築することがカギとなる。
インストラクション力
レクチャーやディスカッションを通じて、効率的にスキルを習得する必要性やスキル習得のポイントに気付かせ・理解させ・定着させる能力。"気づき"を与えることで参加者の前向きな意識を醸成することがカギとなる。
レビュー力
演習および演習のフィードバックを通じて、スキルを身につける上での課題を発見し、効果的に本人に伝える能力。単純に正解(What)を教えるのではなく、正解にたどり着くための考え方(How)を身につけさせることがカギとなる。
メッセージ力
参加者に考えるきっかけを与えたり、意識を根付かせるための節目節目でのメッセージの流れとタイミングを作成し、実行する能力。伝えるべきことを絞ること・一貫性を持って伝えること・想いを込めて伝えることがカギとなる。
メッセージという言葉は聞きなれないかもしれませんが、例としては、研修開始時の導入や研修終了時のまとめが該当します。半日以下程度の極短期間の研修では、必要ない場合もありますが、新入社員研修などの長期の研修では、必須であると考えています。
インストラクターに必要な資質として、インストラクション力(=説明力)がイメージされやすいかと思いますが、上記4つは切っても切り離せないものであり、インストラクターを実施するうえで必要不可欠であると思います。
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